どーも、とーまです。
今日はファクトフルネスを読んだ感想を書きたいと思います。
みなさんも、本屋さんで見かけたり、名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
それもそのはず。
- 2020年間ベストセラー【1位】(ビジネス書、トーハン調べ)
- オリコン年間BOOKランキング2020 ジャンル別「ビジネス書」【1位】
- 読者が選ぶビジネス書グランプリ2020総合グランプリ【1位】(主催:グロービス経営大学院、フライヤー)
- ビジネス書対象2020【大賞】(実行委員会:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
- 第30回TOPPOINT大賞【大賞】(2019年上半期TOPPOIT誌調べ)
これらランキングで5冠を達成し、日本でも100万部を突破。テレビ等でも話題になったビジネス書で、いまだに本屋さんで一等地に山積みになっています。
思い込みでなくデータを基に世界を正しく見る習慣をつけることができる本書。
コロナ禍でさらにその習慣は重要になっているのではないでしょうか。
この書評が、まだ読んでいないけど気になっていた人の読むきっかけになるとうれしいです。
筆者の3人を紹介
ハンス・ロスリング氏
ハンス・ロスリングは、医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。ハンスのTEDトークは延べ3500万回以上も再生されており、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。
ファクトフルネス カバーより
オーラ・ロスリングとアンナ・ロスリング・ロンランド
オーラはハンスの息子で、アンナはその妻。ギャップマインダー財団の共同創設者。
ファクトフルネス カバーより抜粋
著者はハンス氏とその息子夫婦の3人です。
本書を3人で書こうと決めた半年後、ハンスさんは末期ガンの宣告を受けたそうです。
残された時間をこの本の執筆にそそぎますが、残念ながらその1年後にハンスさんは亡くなってしまいます。
残された2人はハンスさんの遺志を引き継ぎ、本書を書きあげました。
そこに、本を売って儲けたいというよこしまな考えを思わせません。
世界を正しく知ってほしいという純粋な思いを感じることができます。
本の内容
冒頭の13問のクイズで世界の事実を自分が正しく把握しているか試されます。
そしてその正解率はチンパンジー以下。特に学歴が高い人ほど正解率が低いという事実。
その低い正解率の原因となっている10の思い込みを具体的な例とともに解説し、膨大な資料とデータをもとに正しく世界を見ることを喚起した内容となっています。
3つの抜粋と、感じたこと
1.おかしいところを探してみよう
いまや、世界のほとんどの人は中間にいる。「西洋諸国」と「その他の国々」、「先進国」と「発展途上国」、「豊かな国」と「貧しい国」のあいだにあった分断はもはや存在しない。だから、ありもしない分断を強調するのはやめるべきだ。
第1章 分断本能 P.037
本当は中間層のほうが多くいるのに、人は何事も2つのグループに分けて考えたがると筆者は警告しています。それにより、世界の見方を誤ると。
確かに、データを見ると発展途上国の概念の国は減っていて、どちらにも属さない国が圧倒的に多くなっていました。
また、西洋諸国の人口に対してその他の国々の人口は、もはや比べられないくらいの差になっています。
豊かな国は少しずつその数字を落とし、貧しかった国は発展を続け、そこにも差が年々縮まっていっています。
これを読んで、僕は本に書いてある以外のことも当てはまると感じました。
右派と左派、トランプ派と反トランプ派など。
本当は中間がたくさんにいるのに、ドラマティックにしたいがために、両方の極端なところを取り上げて判断していないか。
データを正確によめば、そのグループ分けは不必要だということがたくさんあるのではないかと感じます。
2.恐怖と危険は違うーどうせなら、危険なことを怖がろう
恐怖本能は、正しい使い方をすれば役立つこともある。しかし、世界を理解するにはまったく役に立たない。恐ろしいが、起きる可能性が低いことに注目しすぎると、本当に危険なことを見逃してしまう。
第4章 恐怖本能 P158
メディアや自身の関心フィルターのせいで、恐ろしい情報ばかりが届いていると筆者は言っています。リスクは、「危険度」と「頻度」の掛け率で決まると。
極端な報道をメディアはしがちです。
自分にとってどのくらい影響があるのか、自分でデータを集め、自分の頭で考えるクセをつけるべきだと思います。
3心配すべき5つのグローバルなリスク
グローバルな危機が目の前にあることは、間違いない。世界のなにもかもがうまくいっていて問題は一つもないと言っているわけではない。問題から目をそらしても、心は落ち着かない。わたしがいちばん心配している5つのリスクは、感染症の世界的な流行、金融危機、世界大戦、地球温暖化、そして極度の貧困だ。
第10章 焦り本能 P.301
5つのリスクを心配している理由として、はじめの3つはこれまでに起こったことがあるから、のこり2つは現在進行形だから、と筆者は述べています。
この本が日本で発売されたのは2019年1月。
筆者はエボラ出血熱の際に対応するなど、医師としての経験から感染症の世界的な流行をリスクに上げていました。
その1年後にコロナ禍となり、くしくも心配していたことが現実になってしまったかたちです。
ぼくは20年2月、コロナ報道を聞いたとき、まっさきにこの本の内容を思い出しました。
残念ながらこの本には感染症の流行をリスクとして心配するよう啓蒙はありましたが、その後の具体的な対処の記述はありませんでした。
ただ、本書で何回も記述してある、正しくデータを使うということは、きっと対処の際も役立つでしょう。
報道に振り回されず、自分で調べたデータで正しく恐れる。
この本から学んだことです。
ファクトフルネスをよんで まとめ
書評を書くにあたって再度読み返した時、13問のクイズをやり直しました。
正解率は全13問中9問正解。
今回はチンパンジーよりはよかったですが、一度読んでいるのに全問正解とはいきませんでした。
まだまだ思い込みがあるようです。
なかなかその思い込みを払しょくするのは難しいですが、本書は少しでも正しく物事をみるために力になってくれると思います。
コロナ禍のいま、思い込みを捨てデータをもとに正しく判断する習慣をこの本で学びました。
では、今日はこのへんで。
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