どーも、とーまです。
今日は人生で初めて書評を書いてみました。
記念すべき1冊目は『論語と算盤』です。
著者は「日本実業界の父」と言われる渋沢栄一。
21年大河ドラマ「青天を衝く」の主人公であり、
24年に発行される新1万円札の顔にも選ばれ、時の人となっていますが、
そんな彼が残した経営哲学をまとめたものが本書です。
経営者はもちろん、サラリーマンのバイブルとなりえる本書。
今日は「論語と算盤」を読んだ書評(レビュー)を書きたいと思います。
著者 渋沢栄一とは
1840~1931年。実業家。約470社もの企業の設立・発展に貢献。
『論語と算盤』著者紹介欄より
また経済団体を組織し、商業学校を創設するなど実業界の社会的向上に努めた。
470社の企業の設立・発展に貢献したとスラっと紹介があります。
この数だけでもすごいですが、設立にかかわった企業に、
第一国立銀行や現在の三井住友銀行、みずほ銀行、東京海上日動火災保険、日本製紙、
東急、帝国ホテル、東京証券取引所、サッポロホールディングス、キリンホールディングスなど、
超大手企業の名が並びます。
91歳で生涯を閉じた彼ですが、民間の経済人となったのは1873年の33歳の時。
それ以降470社となると、単純計算でも年間に14社の設立にかかわったことになります。
月1社以上‼
比較するのは恐れ多いですが、僕はまだ1社もかかわっていません。
いまのところ、予定もないです…。
「日本実業界の父」と言われるのも納得です。
「現代語訳 論語と算盤/渋沢栄一 守屋淳=訳」本の内容
そもそも、「論語と算盤」は渋沢栄一が書いたわけではなく、
行った多くの講演の口述をまとめたものです。
その講演口述が機関紙に載っており、
90項目をえらんで10のテーマ別に編集したのがこの本だそうです。
100年以上前の本を現代語訳したものですが、
その精神はいまでも十分心に刺さる内容です。
3つの抜粋と感じたこと
1.『論語』はすべての人に共通する実用的な教訓
『論語』はもっとも欠点の少ない教訓であるが、この『論語』で商売はできないか、と考えた。そしてわたしは、『論語』の教訓に従って商売し、経済活動をしていくことができると思い至ったのである。
第1章 処世と信条 p.021
そもそも、渋沢栄一が商売に論語を活用しようと思ったきっかけです。
渋沢栄一が官僚を辞めて、商売人として実業界に入ることになったとき、
志をいかにもつべきか考えて『論語』を思い出したそうです。
確かに僕も就職したときはなにかしら漠然とした志を持っていたように思います。
社会に貢献したいとか、市場を動かしたいとか。
だけどそれは漠然過ぎて、
長く働くうちに目の前のことにとらわれるようになっていった気がします。
もう一度自分なりの志をしっかり確認しようと思います。
2.本当に正しく経済活動を行う方法
だからこそ本当の経済活動は、社会のためになる道徳に基づかないと、決して長く続くものではないと考えている。
第4章 仁義と富貴 p.086
利益が欲しいのは当然。
そのなかで道徳をもって行動しないと、すこしずつ衰えてしまうと渋沢栄一は言います。
これを読んで真っ先に感じたのは、近江商人の「三方よし」の考え方です。
「売り手によし、買い手によし、世間によし」
これに近いと思いました。
僕の業界でもそうです。生産者・流通者・ユーザー。
どこかでムリが生じている商売は一時は売り上げができても長続きしません。
そこにはやはり渋沢栄一がいう道徳が必要だと強く思います。
3.成功と失敗は、自分の身体に残ったカス
成功や失敗といった価値観から抜け出して、超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら、成功や失敗などとはレベルの違う、価値ある生涯を送ることができる。
第10章 成敗と運命 p.220
本文最後の言葉です。
渋沢栄一は成功や失敗は身体に残ったカスのようなものと言います。
悪運が強くて成功したように見える人、
善人なのに運が悪くて失敗した人。
それらを成功や失敗とかの基準で判断せず、
誠実に努力して、自分の運命を開いていくのがよいと。
確かに、成功したいとか、失敗したくないという気持ちがあります。
そしてそういう基準で他人を見てしまいます。
大事なのは誠実に努力して行動すること。
今後はもっと内容を重視するような価値観を養っていきたいと思います。
まとめ
以前、TVの取材でサントリーホールディングス社長新浪剛史氏が
『論語と算盤』をバイブルだと答えているのを観ました。
その手に持つ『論語と算盤』は付箋がたくさん貼ってあり、
いたるところに線が引いてありました。
このようにこの本は経営者の指針となる本だと思います。
そして、経営者だけでなく、社会で働くすべての人に大義と基準を与えてくれます。
サラリーマンの人は特に必読です。
ちなみに僕はこの本読んだあと、ちょうど社長とこの本について話す機会があり、
それ以降、社長が気にしてくれるようになりました。
この本がなければ、共通の話題が見つからかったと思います。
では、今日はこのへんで。
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